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どうする、産廃!?建設廃棄物をめぐる業界動向
建設副産物の循環を促す情報交換システム

前述した、国土交通省が中心になってつくった建設副産物に関するデーターベースについて見てみることにしよう。

建設副産物情報交換システムは、国土交通省と建設副産物情報センターが運用しているインターネットを利用したシステム。再資源化施設の稼働状況や再生資源の供給場所・量等に関するリアルタイムな情報を工事発注者、排出事業者(建設工事の施工者等)、処理事業者(再資源化施設など)の間で効率的に運用できるようにしたものだ。

「基本的な考え方は、リサイクルを推進するための施設情報の提供が目的です。これまではモノをつくっていく循環はあっても、壊す部分での循環はありませんでした。壊すモノの循環サイクルをつくろうと整備したのが建設副産物情報交換システムです。ゴミをゴミとして処理するのではなく、次の製品にするための副産物・原材料として活用していくために処理するんです」と話すのは、(財)日本建設情報総合センター・建設副産物情報センターの首席研究員、渋谷昇一様である。

インターネットでアドレスにアクセス後、工事地点の所在地を打ち込むか、マップ上にマーキングすると、そのポイントから90キロ圏内にある処理施設と、そこに行くまでのルートが画面に映し出される。登録している処理施設は日本全国約1,280カ所。日本全国どこの現場からも、そのルートや範囲を調べることができるのだ。

「契約者には、各処理事業者がどのような産廃をリサイクル、もしくは処分できるのか、細かな情報を検索してもらえます。どこからどこまで処理できるのか、いつぐらいにできるのか、など。各施設には、受け入れが可能か否かの2カ月先までの情報提供をお願いしています。」

処理状況のほかに、各処理施設で再資源化された再生品の販売情報も提供しており、情報上、理論上の循環型を生成したといえるかもしれない。

建設副産物情報交換システムでの地図画面の表示。現場から処理施設までのルートも示されている。


建設副産物情報交換システムの処理事業所情報の画面表示の一部。


どうする、産廃!?建設廃棄物をめぐる業界動向
異業種間をネットワークで結ぶ流通システムもスタート

絶え間なく増え続ける産廃に対して急がれているのは、産廃をリサイクルさせる技術の発達と産廃ないし、リサイクル商品が流通するシステムである。建設副産物情報交換システムは、情報を基盤にした循環システムであるが、流通という側面からの試みも始まろうとしている。
 
大手住宅関連商社のナイス(株)は、異業種の企業をネットワークで結ぶ新しいリサイクルシステム「ナイス環境ネット」を平成15年1月よりスタートさせる予定である。

このシステムは、工務店をはじめ建材メーカーや産廃処理業者、エネルギー関連企業など異業種の企業330社が参加したネットワークにより、回収や運搬、再加工の効率化を図るというものである。メーカーや業種の垣根を越えて、廃材の集荷を行うことで、自社での回収が困難な中小企業の廃棄物処理にかかわる負担の軽減を図るなど新しい流通システム構築への試みということができる。
 
ナイス環境ネット全体イメージ
排出事業者
グループ
(270社)
産業廃棄物
処理グループ
(30社)
再資源化
グループ
(20社)
再資源化の例
工務店
ビルダー
製材所
プレカット工場
材木店
建材店
収集運搬業
中間処理業





マテリアル・
リサイクル
ストランド・
ボード
ケミカル・
リサイクル
エタノール
製造
サーマル・
リサイクル
バイオマス
発電
流木・倒木
間伐材
林地残材
メーカー再資源化
工場
その他産業工場
再資源化製品
その他の産業資源
事務局
 
ニチハでも、平成12年より福島県いわき市にリサイクルプラントを稼働させているほか、名古屋工場でも廃材の回収を行うなど、廃材の再生システムの構築に取り組んでおり、今後さらに業界に先駆けたリサイクルシステムの全国ネット化に向け準備中である。

ニチハはもとより、各メーカーとも循環型社会へ向けた動きは日進月歩であるといえよう。ただし、それらの情報は、新商品の発表などと異なり、全マスメディアを通じて大々的にアナウンスされるたぐいのものではない。

「だからこそ、自分で情報を獲得することが重要なんです」というのは、(社)全国産業廃棄物連合会の香川様。

「収集・運搬にしろ、処分にしろ、”許認可業“である私たちには5年ごとの更新があります。この時、方針講習の受講を義務づけているのは、時代に応じて必要な手続きを間違いなく踏んでいかなければいけないからです。そこには情報の新鮮さが何より求められる。でも、これは何も私たちの業界だけの話ではない。外壁が多種多様なように、産廃もひとくくりにできるものではない。だったら、自分の地域の処分施設の状況はどうなのか、自治体の動向はどうかなど、常に新しい情報を得ていく、知ろうと努力する姿勢こそ大事なのかも知れませんね」

これまであったものを全て壊して新しいものを構築していこうとしている訳ではない。既存のものをうまく利用しながら、違った切り口で、新しいシステムをつくり出そうとしている。今、循環型社会への通過点に位置しているからこそ、さまざまな動きに注目する必要がある。産廃こそ、だからである。

建設副産物情報交換システムイメージ
■お問い合わせ先
(財)
日本建設情報総合センター
建設副産物情報センター
TEL.03-3505-0410 FAX.03-3505-8872
http://www.recycle.jacic.or.jp
E-mail:recycle@jacic.or.jp
調査価格情報の説明
工事発注者が工事発注の際の積算価格として利用するために、処理業者毎の建設廃棄物等の処分価格を調査した情報(処理業者名、品目名、処分価格等)
●建設副産物の搬出先及び再生資材の購入先の検索が可能。●工事現場から再資源化施設までの最短経路、距離及び運搬時間の検索が可能。●適切な設計・積算の支援。
施設情報の説明
◆事業所情報
再生資源化施設及び、最終処分場を管理する事業所の情報(事業所住所、TEL、FAX、担当者名、業許可情報等)
◆再生資源化施設情報
事業所の管理する再資源化施設の情報(施設名、施設住所、受入可能品目、受入時間帯、自社PR等)
◆最終処分場情報
事業者の管理する最終処分場の情報(施設名、施設住所、受入可能品目、受入時間帯、自社PR等)
●自社施設の周辺工事の検索が可能。●PR欄の利用による、自社のPR活動。●リアルタイムな施設登録情報提供による業界の市場活性化。
工事情報の説明
◆工事概要
受注した工事の情報(発注者名、工事名、工事種類、施工場所、工期 等)
◆建設副産物排出計画
[実績]情報
(建設副産物の種類、月別の排出量、排出先の処理施設等)
◆建設資材利用計画
[実績]情報
(再生資材の種類、月別の利用量、供給元の処理施設等)
●建設副産物の搬出先及び再生資材の購入先の検索が可能。●工事現場から再資源化施設までの最短経路、距離及び運搬時間の検索が可能。●適切な施工計画の作成及び立案支援。●建設リサイクル法等の各種様式作成の省力化。
取材協力/(社)全国産業廃棄物連合会、(財)日本建設情報総合センター・建設副産物情報センター

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